大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和37(オ)428 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人近幹之助の上告理由第一点について。

原判決およびその引用する第一審判決によれば、本件家屋の賃料は毎月二五日限

り翌月分を支払う約であつたところ、上告人は昭和三二年六、七月分(その履行期

は五月二五日、六月二五日となる)を支払わなかつたので、賃貸人訴外Dは、同年

七月二二日上告人に到達した書面をもつて、同年六、七月分の賃料合計二万円を同

年七月二五日まで支払うよう催告するとともに、従来の賃料債務不履行の事実にか

んがみ、同年八月分の賃料一万円を約定どおり同年七月二五日まで支払うよう予め

請求したというのであり、右事実認定は挙示の証拠により是認できる。しからばD

は、上告人が昭和三二年六、七月分の賃料を支払わないので、これが履行を催告し、

その際、あわせて、同年八月分の賃料を約定の履行期には必ず履行されたい旨予め

請求した趣旨であること明らかであるから、右六、七月分の賃料の催告は本件家屋

賃貸借契約解除の前提たる催告として適法であり、これに前記のごとく八月分の賃

料の事前の請求を附加したからといつて、これにより右催告の適法性を何ら左右す

るものではない。原判決はこれと同趣旨に出でたものと認められ、その判断は正当

であり、原判決には所論の違法は認められない。�

同第二点について。

所論は、原判決が、被上告人において六、七、八月三ヵ月分の賃料の支払を催告

したとし、しかもこれを適法な催告と判示したと主張し、これを前提として原判決

の違法をいうが、原判示の趣旨がそのようなものでないことは、上告理由第一点に

対する説示中に述べたとおりであり、所論はその前提を欠き、採るを得ない。

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同第三点について。

原判決は、第一審判決理由に、判示のような附加、訂正を加えてこれを引用して

いるのであり、これによれば原判決は、原審における所論証人E、同F、同Dの各

証言、上告人本人尋問の結果ならびに乙第一一、一二号証につき証拠判断を示して

いることは明瞭であつて、原判決には所論の違法は認められない。所論は採るを得

ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 斎 藤 朔 郎

裁判官 長 部 謹 吾

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